三茶のおやつやさんの始まりからこれまで

 

三茶のおやつやさん。

 

始まりは、南区にあった伝説の“カフェ密柑”

 

このカフェのオーナーをしていた

 

ゆったりふんわり、熱いエネルギーをもった

 

私よりも5つくらい?年下の女の子が背中をおしてくれたこと。

 


カフェ密柑が閉まることになって、

 

最後に“”みかんマルシェ”をするときに、

 

よくおやつを作って持って行っては

 

「私もカフェしたいなあ」なんて言ってた私に、


「おやつ、出さない?」って言ってくれて

 

とてもわくわくした。めちゃめちゃうれしかった。

 

きっと、ものすごい表情をしたんだと思う、私。


 2013年8月3日、みかんマルシェ。

 

屋号もまだ決めてなかった。

 

大変さよりもわくわくが勝って、ただただ楽しかった。

 

その日「食べておいしかったから」って戻ってきてくれた

 

息子さん連れのお母さんがいらした。

 

普段は感じることのない嬉しさだった。

 


ちなみに、このときから、私はバターは使ってませんでした。

 

それはただ単に、前日一人でお菓子を焼くときに、

 

「バターを必要量室温に戻す」ことが不可能だと思ったから。健康志向でもなんでもない、ただ物理的な理由だけでした。

 

砂糖は私の好みで白砂糖は使わないようにしていて、きび砂糖、黒糖、メープルシロップ、てんさい糖、はちみつを使ってました。

 

それから、ありがたいことに知り合いの人に誘ってもらったり、

 

自分からも出店条件に合うところに出させてもらったり。

 

屋号も決めたり。笑

 

そしたら、アレルギーをおもちの方がけっこういらっしゃって、

 

よく「乳製品なしのものはないですか?」と聞かれていたので、

 

「バター使わへんのやったら、乳製品も抜いてしまおう」と。


 そして、乳製品よりも多く聞かれたのが、


「卵使ってないものありますか?」

 


私は、個人的に卵が入ったお菓子、大好きです。

 

卵とお砂糖が合わさったときのあの風味がたまらなく愛おしい。

 

卵が入っていないものも少しは作っていましたが、一切使わないとなるとどうかな…と正直悩みました。

 

けれど、「もうじゃあその範囲内でおいしいを探求すればいい!」

 

って思い直して、「卵・乳製品・白砂糖は使わないおやつ」へと方向を決めました。

 



それから試作を繰り返し、看板を作り、ロゴシールを作り、

 

ラグを買い(今までバスタオルだった。笑)、

 

なんとなく固まった感じになってきました。2014年秋のこと。

 

そしたら今度は、

 

「ベーキングパウダー使ってないものありますか?」


と言われました。

 

あるんですよ。使ってないものも。

 

でも、使ってるものが多いです。

 

それから、「ベーキングパウダーも抜いちゃう?」「完全無添加目指す?」って何度も使わずに焼いたんですけど、

 

当たり前だけど、仕上がりと食感が違う。断然違う。

 

アルミニウムフリーとはいえ、ベーキングパウダーは添加物に変わりはない。入ってない方が嬉しいですよね。

 

すごく考えたんですけど、私は“使うべきものには使う”を選びました。


それまでも、食材にどこまでこだわるかとか試行錯誤で線引きしてきましたが、このときにものすごく考えたように思います。

 



 

材料は、私の中での線引きがあります。

 

小麦粉は北海道産。米粉は今のところ九州産。

 

きび砂糖やはちみつは国産。黒糖は純黒糖(含蜜糖でない)。

 

ココナッツは無漂白。

 

ココナッツミルクは純ココナッツミルクのみのもの。

 

ドライフルーツは無添加のもの、できるだけ有機果実。

 

豆乳は有機豆乳。

 

オイルは、国産こめ油、ココナッツオイル。

 

チョコレートは、市販のものは砂糖や乳化剤が入っているので使えないから、自分が使える材料内で作っています。

 

なんとなく、キャロブチップは使いたくなくて。だって、チョコじゃないし。笑 


産地はやっぱり見てます。

 

「全部オーガニック」っていうのは、今の時点では難しいです。そうなると、コストがガツンと上がる現実。

 

そしたらもう「おやつ」じゃなくて、「高級焼菓子」になってしまう。。。それは私がしたかったおやつやさんじゃないんです。

 

なので、そういったお菓子を求められる方は、完璧に拘って作ってらっしゃるお店に行かれることをおすすめいたします。


 

ベーキングパウダーや豆腐に入ってるにがり以外は極力添加物を


避けたり、白砂糖は入れないので、具材も基本手作り。


市販の「なんとかペースト」とか「なんちゃらクリーム」は


使わないっていうのは、いいなと思っています。



そして、なによりも、

 

「今度音吹畑さんのイベントに寄せてもらうから、そこのお野菜使わせてもらっておやつ作ろう!」

 

「さすらい珈琲さんと一緒にイベントするから、そこの珈琲のおやつ作ろう」

 

「大好きなAOWさんのナンプラー麹がおいしいから、それ使ったクラッカー作ろう」っていう楽しみ方が好きです。

 

そうやって、愛情と手間暇と想いを込めて作ってらっしゃるものを使わせていただいて、おいしいおやつが作れるとほんまに嬉しい。

 

私もお菓子の幅を広めさせていただくこともできるので、私に「いいよ~、使って!」って言ってくださるみなさんに感謝してます。



そういうわけで、結果的にこういう流れになっただけで、

 

「ヴィーガン」を目指したわけでもなければ、

 

「ヴィーガンスイーツです」と言うつもりもありません。

 

おやつによってははちみつ入ってるんで、

 

ヴィーガンじゃないんですけどね。

 



私自身、お肉もお魚も卵も乳製品も大好きです。

 

お菓子だって、ソフトクリーム、シュークリーム、デコレーションケーキ、チーズケーキ、タルト、大好きです。

 

そして、健康志向っていうのが、苦手です。もちろん食品、食材によっては控えたほうがいいものもあります。

 

でも、それは一部でいいじゃないか、と思うんです。

 

全部脳に判断させてたら、身体が窮屈だし、心も窮屈だし。

 

美味しいと思うものを、おいしいねって食べながら、生きてたいです。

 

そんな中、身体の事情などで、どうしても制限されている中で選ばないといけない人もいらっしゃるので、

 

そういう方たちもそうじゃない方も同じものを食べて「おいしい」って思ってもらえたらいいなと思って、今はおやつを作っています。

 

私はもちろん、私のおやつも好きです。